今後の展覧会
企画展「戦後80年 「明日の神話」 次世代につなぐ 原爆×芸術」
戦後80年となる今年、当館では、戦争や被爆の記憶を次世代につなげる展覧会を開催します。
太平洋戦争で中国の戦地に送られ、過酷な日々を経験した岡本太郎。戦後に描いた《明日の神話》は、広島と長崎に落とされた原爆やビキニ環礁での水爆実験を題材として、核の惨禍を乗り越えて誇らしく生きる人間像を描き出しました。
広島市立基町高等学校・創造表現コースの生徒たちは、被爆者から半年以上の時間をかけて話を聞きとり、その記憶を「次世代と描く原爆の絵」として描きとる活動を続けています。被爆者が語る広島での被爆の実体験が、現代の高校生の手によって次世代へと受け渡されているのです。
現代のアーティストたちもまた、原水爆や原発事故などの核の問題、そして現在も続く戦争や紛争、テロや侵略行為などを取り上げ、メッセージを投げかける作品を制作しています。本展では、80年前の戦争の記憶を起点として、現在の私たちを取り巻く様々な問題に独自の視点から取り組む9名の作家の作品をご紹介します。
本展によって、戦争や被爆の記憶を次の世代につなげてゆくとともに、混迷を続ける世界で私たちはよりよい未来に向けてどのように生きるべきか、それを考える手がかりとなれば幸いです。