2024年常設展

「目もあやなオバケ王国 岡本太郎のオバケ論」

「オバケというのは、本当に、見つめることによってあらわれるのだ。
だから、純粋に己をみつめれば誰でもが、一生のうちに大なり小なり、奇怪な分身の姿を見る。」*

オバケの姿は日本人の自由な発想力が源であると考え、日本文化としてのオバケに関心を抱いていた岡本太郎。人間の身分に構わずいたずらをしかけ笑い飛ばすオバケ。これを日本人の誇り得るものの一つであると、岡本は述べています。
岡本の作品には人間の内にある真の姿として、オバケのようなキャラクターがたびたび現れます。岡本の冷静かつ無邪気な目線から表現された世界では、ほとんど妖怪に近い姿をなした生き物が駆け回り、生を哄笑します。
本展ではオバケ同様に既存の体制に抗いながらも、愛嬌ある作品を生み出し続けた、岡本が作り出した鮮やかなオバケ王国をご覧ください。

*岡本太郎「《オバケ》このアンチ人間 下司・チンピラ幽霊は消え失せろ」『サンデー毎日』1965年8月29日

主な作品

※クリックすると大きな画像がご覧になれます。

みどころ


●岡本太郎のオバケに関する考えを紹介
1950年代後半からオバケについて興味を持ち、調べ始めた岡本太郎は、独自の視点でいくつかの記事を書いています。「現代生活に失なわれているものは、何よりもイマジネーションだ。」と語る岡本が集めたオバケについての資料、過去に語った怖い話やオバケに関する言葉を作品と合わせて紹介します。

●岡本太郎の人気作品を多数展示
《夜》 《森の掟》 《駄々っ子》 《ノン》などの著名な作品から、《疾走する眼》 《赤い手》 《青い手》など人気作品を多数展示します。自分自身を見返すために、自分もバケモノになろうと話す、岡本太郎の精神で制作された作品の数々をご覧いただけます。

展示構成


第1章:岡本太郎とオバケ
第2章:美術におけるオバケ
第3章:見つめるオバケ
第4章:目もあやな人間王国


会期

2024年07月12日 (金)-2024年10月06日 (日)

開催概要

会期: 2024年7月12日(金)~2024年10月6日(日)
開館時間: 9:30-17:00(入館16:30まで)
休館日: 月曜日(7月15日、8月12日、9月16日、9月23日を除く)、7月16日(火)、8月13日(火)、9月17日(火)、9月24日(火)
観覧料: ●7月12日(金)~7月19日(金)、9月3日(火)~10月6日(日)  
 常設展のみ開催 一般500(400)円、高・大学生・65歳以上300(240)円 
●7月20日(土)~9月1日(日) 
 企画展とのセット料金 一般900(720)円、高・大学生・65歳以上700(560)円 
 ※( )内は20名以上の団体料金、中学生以下無料
主催: 川崎市岡本太郎美術館

同時開催 川崎市市制100周年記念「芸術は、自由の実験室―夏のアートキャンプ」展  2024年7月20日(土)~9月1日(日)

「目もあやなオバケ王国 岡本太郎のオバケ論」PR映像

目もあやなオバケ王国 岡本太郎のオバケ論

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関連イベント

ワンポイントトーク

●ワンポイントトーク

担当学芸員が常設展示の展示解説を行います。

日時:2024年9月8日(日)・16日(月祝) 14:00~
解説:細川茉利香 学芸員
場所:常設展示室
料金:観覧料のみ



●《ノン》と帰ろう

今夏の常設展「目もあやなオバケ王国 岡本太郎とオバケ論」にも登場し、
《太陽の塔》の地下展示室にも置かれていた岡本太郎作品の1つ《ノン》の紙工作を楽しみませんか!

日時 9月22日(日)①11:00~12:00 ②13:30~14:30 ➂14:30~15:30
対象 どなたでも(小学3年生以下は要保護者同伴)
定員 各回先着16名
場所 ガイダンスホール
料金 要観覧券 *当日券に限ります
*整理券を10:30~11:30/13:00~より、エントランスにて配布します。整理券がなくなり次第受付終了

「前衛たちの足跡 岡本太郎とその時代」(2024/4/18~7/7)

岡本太郎は、18歳の時に東京美術学校(現・東京芸術大学)を中退し、両親の渡欧についてパリに渡りました。 20代を過ごしたパリでは、現地で抽象芸術グループ「アプストラクシオン・クレアシオン」に最年少で加わり、バタイユの主宰する「アセファル」にも参加するなど、先鋭的な芸術や思想的なグループで交流を深めます。

 帰国後の兵役を経て、戦後の東京で前衛芸術運動を展開する皮切りとなった「夜の会」は、花田清輝ら文学者たちとの活動です。ここからさまざまな芸術運動が生まれ、作家たちが集う場となりました。岡本太郎はジャンルを横断する自由闊達な活躍で、生涯弟子などを取らず、群れることを嫌った孤高のアーティストという横顔もありますが、それぞれの時代をみていくと多くの芸術家や作家、思想家から触発され、そうした仲間たちとの交流や繋がりの中で、作品が生まれてきた側面もまた強いでしょう。

 当館コレクションより、岡本太郎と、交流のあった同時代の作家たちの活動の一端をご紹介します。

主な作品

※画像をクリックしてご覧ください。

みどころ


●パリ時代の交流を「アプストラクシオン・クレアシオン」版画集からご紹介
10代でパリに渡った岡本太郎が、最年少の20代で参加をした抽象芸術グループ「アプストラクシオン・クレアシオン」(抽象・創造)は、パリで抽象表現をめざした先鋭的なグループで、多様な国からメンバーが参加していました。彼らの1930年代の仕事を、後年出版された版画集(1973年)に収録された作品からご覧いただきます。

●戦後の同時代の作家たちとの交流をご紹介 
中国からの復員後、戦後の前衛芸術運動に岡本が関わった「夜の会」や「アヴァンギャルド芸術研究会」、「世紀の会」の活動資料や、そこに集った池田龍雄、北代省三、山口勝弘といった同時代の作家たちの作品をご覧頂くことで、戦後まもない東京の世相や時代の空気も感じて頂けます。
また本展では、1950年代に交流のあった芥川(間所)紗織の《顔》を展示し、今年生誕100年を迎える芥川(間所)紗織のプロジェクト「Museum to Museums」* に参加をしています。

*生誕100年芥川(間所)紗織プロジェクト Museum to Museums 「軌跡を回顧する旅へ」
Museum to Museumsは、芥川(間所)紗織アーカイブ実行委員会が提唱した企画で、芥川(間所)紗織が生誕100年を迎える2024年に、全国の10の美術館に所蔵されている紗織の作品を各美術館が主催する展覧会で展示を行うプロジェクトです。より多くの方々に美術館をめぐり歩き、そこにしかない作品に触れていただける機会となります。
※詳しくはこちら⇒「生誕100年芥川(間所)特設サイト」

会期

2024年04月18日 (木)-2024年07月07日 (日)

開催概要


会期: 2024年4月18日(木)~2024年7月7日(日)
開館時間: 9:30-17:00(入館16:30まで)
休館日: 月曜日(4月29日、5月6日、7月1日を除く)、5月7日(火)、5月8日(水)、7月2日(火)
観覧料: ●4月18日(木)~4月26日(金) ※常設展のみ開催
 一般500(400)円、高・大学生・65 歳以上300(240)円
●4月27日(土)~7月7日(日) ※企画展とのセット料金
 一般900(720)円、高・大学生・65歳以上700(560)円
※( )内は20名以上の団体料金 ※中学生以下は無料


同時開催 川崎市市制100周年記念展「生命の交歓 岡本太郎の食」  2024年4月27日(土)~7月7日(日)

※開催期間等、変更になる場合がございます。最新の情報は当ホームページをご確認下さい。
※本展は、写真撮影はできません。

「前衛たちの足跡 岡本太郎とその時代」PR映像

前衛たちの足跡 岡本太郎とその時代

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関連イベント

ワンポイントトーク

ワンポイントトーク

担当学芸員が常設展示の展示解説を行います。

日時:2024年6月22日(土)14:00~
解説:佐藤玲子 学芸員
場所:常設展示室
料金:観覧料のみ


「人のかたち:岡本太郎の人体表現」(2024/1/20~4/14)

岡本太郎《作家》1948年
 原色の鮮やかさやテーマ性が強い作品であるため、 ”人物を描く”という印象があまりない岡本太郎ですが、初期のパリ時代から晩年まで、描かれているテーマや中心的なモチーフの多くは、人の姿や顔、眼、その内面を含めた人間の在りようです。
絵の中に描き出された人々の姿は、オーソドックスな具象的な描写から、ユーモラスに擬人化されたキャラクター、ピクトグラムのように記号化されたものまで、制作時期によってさまざまに変遷しています。また絵画だけでなく、《太陽の塔》をはじめとする立体やモニュメントのモチーフにも、人の姿をかたどった作品はじつはとても多いのです。
 初期の代表作《傷ましき腕》から展開していったパリ時代の消失作品の流れも含めて、岡本太郎が描いた人のかたち、表現のヴァリエーション、その幅の広さにもぜひご注目してご覧ください。

 画像:岡本太郎《作家》1948年

主な作品

※画像をクリックしてご覧ください。
油彩    《傷ましき腕》《夜》《重工業》《作家》《美女と野獣》
彫刻    《顔》《午後の日》《こどもの樹》
レリーフ    《天に舞う》《躍進》
その他    パリ時代の消失作品原寸パネル    

みどころ


●岡本太郎が描いたさまざまな人物表現を、時代を追ってご紹介します。
 時代によって変遷していく岡本の画風を、人物の描き方に焦点を当ててご紹介する展示構成です。《傷ましき腕》《夜》《重工業》などの代表作とともに、消失したパリ時代の作品を原寸大パネルで展示することで、若き日の岡本の貴重な作例ともあわせてご覧いただけます。絵画だけではなく、彫刻作品、レリーフなどにも幅広く登場するモチーフを、ぜひ展示室で探してお楽しみください。

●作品とあわせて、岡本太郎の言葉もご紹介します。
 岡本の著作の中から、作品やテーマに関連した文章をご紹介します。《傷ましき腕》について「具象と非具象のからみあい、人間存在全体のコントンとした情感」をぶつけた作品だと述べています。若き日に哲学や民族学を学んだ岡本の描く人間像は、単なる表面上のモチーフにとどまらない、内面や葛藤の表出でもあるのでしょう。「眼にふれ、手にさわる、すべてに猛烈に働きかけ、体当りする。ひろく、積極的な人間像を自分自身につかむために。」言葉とあわせてご覧頂ければ幸いです。

●本展は、写真撮影可能です。
動画撮影、フラッシュ撮影、三脚・自撮り棒・ジンバル等の器材の使用は不可。
他の方の観覧の妨げになる撮影・過度な撮影行為はご遠慮ください。

会期

2024年01月20日 (土)-2024年04月14日 (日)

開催概要


会期: 2024年1月20日(土)~2024年4月14日(日)
開館時間: 9:30-17:00(入館16:30まで)
休館日: 月曜日(2月12日を除く)、2月13日(火)、3月21日(木)
観覧料: ●1月20日(土)~2月16日(金) ※常設展のみ開催
 一般500(400)円、高・大学生・65 歳以上300(240)円
●2月17日(土)~4月14日(日) ※企画展とのセット料金
 一般700(560)円、高・大学生・65 歳以上500(400)円
※( )内は20名以上の団体料金 ※中学生以下は無料


同時開催 企画展「第27回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)」 会期:2月17日(土)~4月14日(日)

※開催期間等、変更になる場合がございます。最新の情報は当ホームページをご確認下さい。

「人のかたち:岡本太郎の人体表現」PR映像

人のかたち:岡本太郎の人体表現

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関連イベント

河童帽

大・河童祭

オンラインコンテンツ・どこでもTAROアトリエで公開中の”第27弾「カンタン!河童帽」”をおうちで作って被って遊びに来ると、オリジナルシールをプレゼントします!(参加者1名につき1枚)
河童帽の作り方はこちら ⇒どこでもTAROアトリエ Vol27「カンタン!河童帽」

日時:2024年3月2日(土)・3日(日) 9:30~16:30
配布場所:美術館受付
対象:どなたでも
参加費:無料(要観覧料)


蘇るVR太陽の塔

「蘇るVR太陽の塔 Ver.6」


大阪万博で岡本太郎が担当した《太陽の塔》は、彼の代表作品として知られ、現在でも多くの人びとに親しまれています。
今回のイベントは、日本工業大学の学生が製作、再現した1970年当時の《太陽の塔》VRを見学するものです。
蘇った《太陽の塔》を体感してみませんか。

3月9日(土)・3月10日(日)11:00~16:00

★3/9・10は、ゴーグルを装着してVR体験ができます!
★常設展会期中は、常設展示室でVR体験映像の2D版上映を行います。(予定)

場所 ガイダンスホール(VR体験)
協力 日本工業大学情報メディア工学科


★本プロジェクトは日テレ「イマジナリウムアワード2023」
  メタバース部門の審査員奨励賞を受賞しました!


ワンポイントトーク

ワンポイントトーク

担当学芸員が常設展示の展示解説を行います。

日時:2024年3月10日(日)、4月13日(土)14:00~
解説:佐藤玲子 学芸員
場所:常設展示室
料金:観覧料のみ


人のカタチを描こう!

人のカタチを描こう!

太郎さんの表現する人を鑑賞し、自分なりの人のかたちを絵画制作します。
「人を描く」「人に描かれる」体験を通して、「人」に対しての考えを深め、
描く楽しさと人の作品をみて一緒に創作を楽しみましょう!

日時:3月20日(水祝)13:30~15:30
対象:小学生~大人 *未就学児は不可
定員:10名
場所:常設展示室・創作アトリエ
料金:300円+観覧料
申込:電話受付(3/6(水)10:00から受付開始)、先着順