過去の展覧会

常設展「私の現代芸術―コンペイ党宣言」

 1961年、岡本太郎は戦後から自らの作品発表のベースとしていた二科会を脱退します。
戦後から1950年代にかけて、仲間とおこした前衛芸術運動は長くは続かず、二科会内での改革も横やりが入り、歩調を合わせた運動にさえ迷いをもった時期でもありました。作品発表の形式や作風、スタイルも大きく変化した60年代、『私の現代芸術』はそんな岡本太郎の転換期に刊行された著作でした。
 「コンペイ糖のようにトンがって、すでにでき上がった自分自身とぎりぎりに対決する。その緊張が仕事を支えるのである。」岡本太郎らしい逆説的な物言いは、この時期に団体や協働をいったん離れ、ひとり立ち向かう覚悟を決めた岡本の態度表明のようにも見えます。
 「ふっと、まるくなりそうな危険を感じた時、仕事場の壁に貼りつけた、ギザギザのコンペイ糖をにらんで、いよいよ純粋にやりきること、妥協しないこと、そして防御服を着ないで、常に生身のままで社会の現実にぶつかってゆく決意を新たにすべきだと思うのだ。」 作品とともに、ぜひ岡本の言葉にもご注目ください。


会期

2025年01月18日 (土)-2025年04月13日 (日)

開催概要

会期: 2025年1月18日(土)~2025年4月13日(日)
開館時間: 9:30-17:00(入館16:30まで)
休館日: 月曜日(2月24日、3月24日、3月31日、4月7日を除く)、2月12日(水)、2月25日(火)、3月11日(火)、3月12日(水)、3月21日(金)、ほか臨時休館あり

観覧料: ●1月18日(土)~2月22日(金)
 常設展のみ開催 一般500(400)円、高・大学生・65歳以上300(240)円 
●2月23日(日)~4月13日(日) 
 企画展とのセット料金 一般700(560)円、高・大学生・65歳以上500(400)円 
 ※( )内は20名以上の団体料金、中学生以下無料

みどころ


●作品に現れた表現の変化と形象に注目してご紹介
 1960年代に岡本太郎の絵画は、抽象的な色彩や書のような形態に大きく変化しました。転換期となった1960年代の作品とあわせて、今回は「コンペイ党宣言」という岡本の言葉にちなんで、金平糖のように四方八方にツノが飛び出したような彫刻や、ギザギザした形象の作品も集めてご覧いただきます。

●著書『私の現代芸術』の岡本のことばに注目してご紹介
 1961年の二科会からの脱退や、仲間たちとの前衛芸術運動の停滞もあり、1960年代前半は岡本太郎の転換期となる時期でした。美術の動向そのものも、戦後から新しい現代美術の枠へとシフトしていた変革の時代に、ときに逆説的、そしてユーモラスに岡本太郎が自らを鼓舞するように語った言説、現代からみても魅力的な言葉を作品とあわせてご紹介します。


主な作品

※画像をクリックしてご覧ください。


■PR動画(144秒)

当常設展のPR動画です。

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関連イベント

蘇るVR太陽の塔(VR)太陽の塔 画像

蘇るVR太陽の塔 ver.7



大阪万博で岡本太郎が担当した《太陽の塔》は、彼の代表作品として知られ、現在でも多くの人びとに親しまれています。今回のイベントは、日本工業大学の学生が製作、再現した1970年当時の《太陽の塔》VRを見学するものです。蘇った《太陽の塔》を体感してみませんか。

日時 : 3月1日(土)・2日(日)※時間未定
場所:ガイダンスホール(VR体験)
対象 : 13歳以上の健康状態が良好な方
料金 : 無料(要観覧料)
協力:日本工業大学情報メディア工学科

★3/1、2は、ゴーグルを装着してVR体験ができます!
★常設展会期中は、VR体験映像の2D版上映をおこないます。(予定)
*詳細は当館HPをご確認ください。


ワンポイントトーク

ワンポイントトーク

担当学芸員が常設展示の展示解説を行います。

日時:2025年3月8日(土)14:00~
解説:佐藤玲子 学芸員
場所:常設展示室
料金:観覧料のみ



とことこ美術館ツアー

とことこ美術館ツアー&ワークショップ 色や形をみて・つくって!とげとげいきものをつくろう!

小さいお子さんとご家族向けに、色や形をきっかけに作品を楽しむ鑑賞ツアーと簡単な制作イベント。
色紙粘土をこねこねしてコンペイトウみたいなとげとげ生き物をつくりましょう!

日時:3月23日(日)10:00~11:30
対象者:3歳以上の未就学児のお子さんとご家族
定員: 5組 *付き添い2名まで
場所:常設展示室、創作アトリエ
料金:300円+観覧料
申込方法:電話受付(3/6(木)10:00受付開始)、先着順