開催中の展覧会

企画展

企画展「岡本太郎と太陽の塔―万国博に賭けたもの」

「近代主義に挑む。何千年何万年前のもの、人間の原点に帰るもの。人の眼や基準を気にしないで、あの太陽の塔を作ったんだ。」*

1970年、大阪にて、「人類の進歩と調和」をテーマとする日本万国博覧会が開催されました。テーマ展示プロデューサーに就任した岡本太郎が会場中心に据えた「太陽の塔」は、建設当時、モダニズムと相容れない独特の外観で賛否を巻き起こしました。また、テーマ展示の構成も「人類の進歩と調和」に異議を唱える岡本の思想が大いに反映されたものでした。

 テーマ展示の地下空間は「過去・根源の世界」を表現するためにいくつかのゾーンに分かれていました。その1つ、「いのり」の空間では、人類の心の奥深くに通底するものとして、世界各地から収集された仮面や神像などの民族資料が展示されました。原初的で神聖な祭壇を想起させるこの展示プランも、岡本太郎の発案です。彼はパリで暮らした20代にパリ大学で民族学を学び、人類博物館の空間でマルセル・モースの教えを受けました。また帰国後も、日本各地の祭礼・神事の取材と執筆活動によって思索を続けました。

 本展は、民族学を源泉とし、国内の取材旅行を通して形成された岡本の思想から「太陽の塔」と地下展示を探るいわば「入門編」の展覧会です。彼が縄文の発見後、フィールドワークで撮影した写真をご紹介するほか、「太陽の塔」の制作記録や同時期の作品を通して塔の内外が形作られた過程をたどります。また、国内外の仮面や神像等を展示し、岡本のいう「今日の文明が失ってしまった人間の原点」*に迫ります。

 岡本は、ただの「お祭り」と、人間の誇りと生きる歓びを爆発させる神聖な「祭り」を区別し、万国博は後者であるべきと考えました。「太陽の塔」を万国博の中心に据えることで「祭り」の実現に賭けた岡本の挑戦と、そこに至るまでの道程を、会場にて是非ご覧ください。

*岡本太郎『にらめっこ問答』集英社、1980年

会期

2025年04月26日(土)-2025年07月06日(日)

開催概要


会期: 2025年4月26日(土)~2025年7月6日(日)
開館時間: 9:30-17:00(入館16:30まで)
休館日: 月曜日(4月28日、5月5日を除く)、5月7日(水)、5月8日(木)
観覧料:  一般900(720)円、高・大学生・65歳以上700(560)円
※( )内は20名以上の団体料金 ※中学生以下は無料


同時開催 常設展「オカモト・ア・ラ・モード おしゃれの法則」  2025年4月17日(木)~7月13日(日)


主な作品

・岡本太郎作品:油彩、彫刻、ドローイング、岡本太郎撮影写真 他 約130点
・「太陽の塔」制作・建設過程記録などの写真資料、万国博関連資料など
・民族資料(昭和女子大学光葉博物館および武蔵野美術大学 美術館・図書館 民俗資料室所蔵) 約40点
・「甦るVR太陽の塔」映像(2D)(日本工業大学 太陽の塔プロジェクトチーム+杉森研究室制作)

※画像をクリックしてご覧ください。

みどころ


●岡本太郎が太陽の塔の模型を作る様子や、実際の建設の過程など、当館が所蔵する記録写真をこれまであまりご紹介できなかったものも含め多数展示します。
●世界各国の仮面や神像などの民族資料を展示し、岡本太郎が太陽の塔の地下空間で表現しようとした「人間の原点」に迫ります。本展では、昭和女子大学光葉博物館と武蔵野美術大学 美術館・図書館 民俗資料室から資料をお借りします。
●太陽の塔の1970年当時の地下空間と大屋根の展示を、再現映像で甦らせます。 日本工業大学の歴代の学生たちが7年間にわたり制作・改良を続けてきたVR作品を本展のために映像(2D)化し、展示室にて放映します。

展示構成


第1章 民族学との出会い ―パリ時代の岡本太郎
第2章 人間の原点を求めて ―取材旅行と執筆活動
第3章 万国博前夜 ―《明日の神話》と《太陽の塔》
第4章 太陽の塔の地下空間
第5章 万国博が残したもの


関連イベント


太陽の塔ワークシート「太陽の塔」ワークシート

●太陽の塔・ふしぎ発見!スタンプラリー


小さい子ども向けのスタンプラリー型ワークシートを配布します。
「太陽の塔」のお腹の中には不思議がいっぱいです。展示室内のスタンプを押して「太陽の塔」をもっと知ろう!

配付期間 4月26日(土)~7月6日(日)
会場 企画展示室
料金 無料(要観覧料)
対象 どなたでも





●「1970年万博 関連映像上映」

谷口千吉監督の「公式長編記録映画 日本万国博」(1971年)や
岡本太郎旧蔵のプライベートフィルムから万博に関連した映像を上映します。

上映日:5月17日(土)、18日(日)、31日(土)、6月14日(土)、15日(日)、29日(日)

上映プログラム
11時~ 岡本旧蔵プライベートフィルム
13時30分~ 公式長編記録映画 日本万国博(174分)
場所 ガイダンスホール
料金 無料

顕神の夢展ギャラリートークイメージ画像

●担当学芸員によるギャラリートーク

担当学芸員が展示内容を詳しく解説します。

日時:2025年6月1日(日)、28日(土) 14:00~
場所:企画展示室
料金:観覧料のみ
申込:不要。開始5分前に企画展示室にお集まりください。



常設展

常設展「オカモト・ア・ラ・モード おしゃれの法則」

「生活の中に色や形が溶け込んでいくことこそ、芸術としての意味がある」*
様々な分野において型をやぶろうとしてきた岡本太郎。
フランスから帰ってきてから、日本の色彩はくすんでいるといった発言をたびたび繰り返している岡本は、手近な芸術的表現としてファッションについて言及しています。若き日に学んだ民族学、そして文化人類学の知見から、人間にとっておしゃれとは、肉体をより一層引き立てることから始まっており、おしゃれはたたかいなのだと、岡本は考えていました。
自身の着こなしについて取材をうけることもあった岡本の、学生服を「画一的」とする発言が、世間に論争を引き起こしたこともありました。
ネクタイ、スカーフ、浴衣の生地、婦人服、法被、カフスボタン、各種アクセサリー等、絵画や彫刻だけでなく、
ファッションデザインも多く手がけた岡本の「おしゃれ」に関する考え方とともに、岡本の作品を紹介します。
*『岐阜日日新聞』(1965年3月10日)インタビューより

会期

2025年04月17日(木)-2025年07月13日(日)

開催概要


会期: 2025年4月17日(木)~2025年7月13日(日)
開館時間: 9:30-17:00(入館16:30まで)
休館日: 月曜日(4月28日、5月5日を除く)、5月7日(水)、5月8日(木)
観覧料: ●4月17日(木)~4月25日(金)、7月8日(火)~7月13日(日) ※常設展のみ開催
 一般500(400)円、高・大学生・65 歳以上300(240)円
●4月26日(土)~7月6日(日) ※企画展とのセット料金
 一般900(720)円、高・大学生・65 歳以上700(560)円
※( )内は20名以上の団体料金 ※中学生以下は無料


同時開催 企画展「岡本太郎と太陽の塔―万国博に賭けたもの」 会期:4月26日(土)~7月6日(日)

※開催期間等、変更になる場合がございます。最新の情報は当ホームページをご確認下さい。

主な作品

岡本太郎の油彩、彫刻、ファッションデザイン、インダストリアルデザイン、収集資料等 約100点 ※画像をクリックしてご覧ください。