2004年展覧会

水の記憶 ヒグマ春夫の映像試論 展

会期 2004年2月27日~4月11日


カタログ 展覧会の様子
太郎賞の入選者より選んだ、現代に新たな表現のフィールドをひらく作家の展覧会の第4回目。今回は、映像を用いて着実に活動を続けてきたヒグマ春夫の仕事を紹介した。1970年代はじめ、ネオダダイズム・オルガナイザーなどの活動にふれたのをきっかけにデザインから美術へと関心を向けたヒグマは、時間軸に展開する映像作品を中心に制作を続けてきた。81年からは映像を単に提示するだけに留まらず、その空間に舞踊や音楽、批評も含めたさまざまな人々を巻き込みながらネットワークを紡いできたように、ヒグマの活動のユニークさは、媒介者の側面を持つことにある。今回はその中から、作品に即した音楽とダンスのイベントもあわせて行った。

「水の記憶 ヒグマ春夫の映像試論 展」併催企画展
第7回岡本太郎記念現代芸術大賞 展

会期 2004年2月27日~4月11日


カタログ 展覧会の様子
時代に先駆けて、たえず新たな挑戦を続けてきた岡本太郎。岡本太郎記念現代芸術大賞は、岡本の精神を継承し、自由な視点と発想で、現代社会に鋭いメッセージを突きつける作家を顕彰すべく設立された。今年で7回目をむかえる本賞では519名の応募があり、創造性あふれる17名の作家が入選をはたした。

原色のざわめき アフリカのストリートアート

会期 2004年4月24日~7月11日


カタログ 展覧会の様子
現在のアフリカの街を歩くと、明るく色鮮やかで大胆なデザインの造形物が、生活の中に根ざして無条件に存在している。それらはまさに、岡本太郎がいう「無条件で生活を彩るアート」と言える。本展は、現代のアフリカの新たな魅力を、「ストリートアート」という切り口から紹介する展覧会。西アフリカを中心に、南アフリカ共和国のアートラジオを加え、現在のアフリカの街並みで見られる衣服や看板、ポスター、生活雑貨、おみやげ品などを展示し、さらに現地のコーヒーショップや床屋を展示室内に再現した。また、岡本太郎は1976年に西アフリカに訪れたことがあり、市場や街路などで人々の生活の様子を撮影した。本展では、それらの写真もあわせて紹介した。

こんな日本!岡本太郎が撮る×内藤正敏が撮る

会期 2004年7月21日~10月3日


カタログ 展覧会の様子
岡本太郎は1957年から66年にかけて雑誌連載のため日本各地を回り、北は青森から南は沖縄まで数多くの写真を撮影した。この取材で書かれた文章や写真が後に本として刊行される時、本の題名には例えば『日本再発見―芸術風土記』『神秘日本』等、「日本」がついていたことから、岡本の旅は「日本」の本質を探す旅だったといえるのではないだろうか。「東北の形象(かたち)」展(1998年宮城県美術館)において岡本太郎の写真に初めて出会った内藤正敏(写真家・民俗学者)は、直感的に岡本の写真に民族学的な視点を感じ、自分の手で現像したいと思ったという。岡本のネガを内藤が自由にプリントするというコラボレーション(競演)が実現した本展では、内藤正敏が岡本のネガより選び取り現像した写真とともに、岡本の日本探訪の写真を紹介し、その取材地のマップや当時の写真が載った雑誌、さらに同じ場所を撮影した内藤自身の写真もあわせて紹介した。

開館5祝年
テレビ発掘 まる裸の太郎展

会期 2004年10月16日~2005年1月16日


カタログ 展覧会の様子
岡本太郎の存在を広く日本中に知らしめた理由として、頻繁なテレビへの露出があげられる。岡本はテレビ開局当時から、ニュース番組をはじめ対談や紀行、バラエティー番組に至るまで半世紀に渡ってブラウン管に登場している。芸術家がテレビに登場することに批判的な人が多かった時代に岡本は堂々とテレビに出演し、番組が取り上げるテーマに対して自分の人生観に裏打ちされた数々のメッセージを残してきた。それは、広く身近にふれるものこそ価値があると主張した岡本自身の芸術理念に基づいて演じられた無条件の遊びだったともいえよう。本展では、岡本太郎秘蔵の映像やテレビ番組、コマーシャルなどを上映するとともに、開館5周年記念として当館の所蔵する岡本太郎の代表作品を一堂に公開した。